本を読んで考える

本を読んで自分の頭で考える。読書日記。

カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術 / スティーブ・コーエン

何について書かれた本か

p.12 から引用

マジックを可能にしている心理学的法則をご紹介し、それを上手に応用して人(一人の場合も、百人の場合もあります)の心をつかむ方法をお教えしたい

人の心を読む方法と操る方法について解説されている。

また、マジシャン視点で、それを支える心理的な技術が惜しみなく書かれている。

この本への期待

営業マンが読むビジネス書として人気があるようである。私は純粋に人の心を読み、操ることが出来れば面白いなと思い購入した。また、マジシャンの思考回路も気になった。

得た気づき

人の心を掴むとは、穏やかに人の心を支配することである。そのためには、容姿、喋り方、振る舞い方が重要である。

人が容姿から受ける印象は大きい。この手の話でよく上がるハロー効果については、私も以前から知っており第一印象がその後の印象に大きな影響を与えるため、初対面の相手には特に気をつけて接するようにしてきた。とりわけ、初対面の場合においては相手に対する情報が容姿と口調くらいしかないのがほとんどであるため、そこから得られることを元に判断するしかない。

そこで本書では、対面する前に先手を打つことを提案していた。容姿、口調、態度で相手に暗示を与えることができ、事前の調査で相手の情報を獲得しておくと円滑なコミュニケーションに役立つ。このような場面において結局自分がどうあるかではなく、相手がどう捉えるかの方が重要である。街中などでもそうである。

普段使う言葉をカスタマイズすることの重要さにも気がついた。言葉は相手に与える印象のみならず、上手く使えば相手の思考を制御することさえできる。

批判を受けること、失敗すること、緊張することへの対処としてそれらを当たり前のものだと諦めを付けて受け入れることが大切である。これらを受け入れる事によってパフォーマンスの低下を防ぎ、さらに事前に対処できることはしておくことができる。批判については全ての人に好かれるのは無理であり身を滅ぼす事に通ずる。少ない回数の拒絶については防衛反応として適切なものであり、ここを乗り切る事なしに物を売ったりすることはできない。

常に強気でいる事の大切さにも気が付かされた。馬鹿丁寧に下から出るのではなく、毅然とした態度で勝負に出ることが大切である。商談で自信なさげな相手から受注することには抵抗がある。自信満々でハッタリをかましてやれば意外と引っかかるものかもしれない。私はこれに何度かやられており経験的にもこれが正しいと思う。

やること

本書に書かれている言葉の使い方と、心理の読み方について、実践を通して考察してみる。

神経言語プログラミングについても調べてみる。

感想

マジックのタネなどほとんど書かれていないのに、それが出来そうな気がしてきた。マジシャンは道具や手先の技術を大切にするものだと思っていたが、それよりもはるかに深い洞察を行い、人の心理そのものをコントロールしていることを知った。営業マンの部下を持つ事になったらこの本は必読書として読んでもらいたい。

2019/06/17